まぶログ

脱サラ、移住、起業、地域活性化、まぶログのリアルな体験記

3月6日

ちょうど一年前の3月6日は
今の深江の家に引っ越した日。

その日は朝から雨で
引っ越し作業が思うように進まなかった。

そのこと以上に
今まさに始まろうとしている新しい生活に対して
自分達でも驚く程、心の準備が出来ていなかったため
鬱々とした気持ちだったことを覚えている。

新生活への希望よりも突然目の前に現れた不安。

日々の仕事でとにかく目一杯で
引っ越し前に新居へ足を運んだのも
たったの2回・・・

施工会社さんに

「こんなに現場に来ない施主は始めてですよ!」

と怒られるシマツ。。

本当に何も準備が出来ていなかった。

引っ越しが一段落した頃、ちょうど雨が上がった。

「少し散歩しようか」

気分転換に家族みんなで付近を歩くことに。

家を出てすぐ

「あれ?明里ちゃん!?」

どこからともなく聞こえてきた声は
お世話になっている農家さんの奥さん。

たまたま新居の近くに用事で来ていたそうだ。

糸島で最初に出会った生産者。
そうか、みんなとご近所になったのか。
いつもの素敵な笑顔を見て少し不安が和らいだ。

あてもなく歩いていると
すぐに波の音が聞こえてきた。

「わー!!もう海やん!こんなに近いんや!!」

目の前に広がる深江海岸。

そんな素敵な環境であることすら深く考えずに引っ越したのかと思うと
信じられないほど、つくづく、とぼけた家族。。

当時(今もあまり変わらないけど)は
それだけ仕事のことで頭が一杯だった。

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海を眺めていると自然と涙が流れた。

「なんとかやっていけそうだね」


妻が言った。

あの日不安だらけだった僕たち家族に
希望を与えてくれたのは、紛れもなく、糸島の海だった。

さらに家に戻ると仲間の農家さんが
引っ越し祝いにアスパラを届けてくれた。

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母が用意してくれたお弁当と一緒に
その日の夜に早速頂いた。

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旬のアスパラガス、
びっくりする程甘かったことを覚えている。

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ちょっとだけのろける
9年前、妻と未だ付き合っていた頃、
深江海岸に立ち寄ったことがある。

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そのとき僕は

「実家が海の近くだったから、将来この辺に住みたいんだ」

と言っていたそうだ。

「あのとき言ってた通りになったね」

当の本人は全く覚えていないのだけど
妻は確かにそのことを覚えている。

ただ一年前、
社会がこんな風になっているとは
想像も出来なかった。

でもきっと大丈夫。

明けない夜は無いし
光の無いところに陰は出来ない。

今日の糸島の海を眺めていると
また勇気が沸いてきた。