まぶログ

脱サラ、移住、起業、地域活性化、まぶログのリアルな体験記

新型コロナ禍でも黒字を実現した飲食店の挑戦①

新型コロナ禍の中で断固として決めたこと。
それは

 「今期(弊社は7月決算)の黒字化」

飲食業を主たる事業としている弊社にとって
この状況は簡単な状況ではありません。

営業自粛の影響は大きいし自粛が解除された今(令和2年5月26日)も
客足は戻っていません。おそらく今後元通りになることは無いのでしょう。

つまり現時点での見通しは立ちません。
それでも今後の事業展開から逆算すれば
どうしても今期(単期)は黒字にしないといけない。

逆に言えば
この状況下で結果(黒字)を出せば
今まで取り組んできたことや
そのときのメンタリティは
ある程度「価値のあるもの」と言えるのではないか。

未だ結果も出していないのにしかも今期だけで
偉そうに語るのは気が引けますが
何せ今まで誰も経験したことの無い未曾有の事態です。

今までの正解が不正解で不正解が正解になるかもしれない。

いっそのこと未来を先に決めてしまってから
それに向かって歩みたいと思ったのは
自らを鼓舞する意味合いもあるかもしれません。

重ねて言いますが今後の売上げに関しては非常に読みづらい状況です。

ですが全く見通しが立っていない訳でもございません。

そのような中、望みたい未来から逆算して然るべき結果へと導こうとする
非常に自分勝手なコラム。

偉そうなことを書いておきながら
結果が出ない可能性は重々にあるのですが
その場合は私が恥をかけば良いだけ。

それよりも皆様に私達の挑戦を知って頂くことの方が
はるかに価値があると想い、筆を取らせて頂きます。

前置きが長くなりましたが

 「新型コロナ禍でも黒字を実現した飲食店の挑戦」

について計6回でお知らせしたいと思います。

 
第1回目のサブタイトルは「飲食店を辞めた」


いきなり元も子も無い話です。

ただ実際、新型コロナ禍になる前から

 「飲食店を辞める」ことは決めていました。

それは「飲食業界の構造的な限界」に身をもって気付いたからです。

弊社は現在2店舗を経営しています。

どちらも小さなお店ですが
お陰様で「コロナ前」は連日多くのお客様に
お越し頂いておりました。

周囲からは「儲かって仕方無いでしょ?」と言われることもありましたが

いつも内心では「そんな単純じゃないのにな・・・」

と思っていました。

当然ですが売上げが増えれば支出も増えます。

スタッフの給料は増やさないといけないし
社会保険料は年々上がるし、消費税は上がるし
その中でも出来るだけ、漁師さんから良い地魚を高く買いたいし
地魚だけしか使いたくないし
お客様には出来るだけリーズナブルに提供したいし・・・

相反する想いの中で揺れ動いてきた9年間でした。

スタッフの給料について言えば
飲食店で給料を上げようとすると
店長などの管理職ポストを担ってもらうことになります。

もちろん一つの店舗に複数は必要ありません。
また現場でバリバリ働きながらの管理職というのも
せいぜい40代が限界でしょう。その上のポストも必要になります。

ということは理論上、
永遠にお店を増やし続けていかない限り
スタッフの給料をあげることは難しくなります。

もちろん給料をあげるためだけに
 「飲食店を辞めた」と言っている訳ではございません。

 以下2018年の年頭所感として全スタッフに配布した内容です。

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株式会社いとしのいとしまは、飲食事業という枠を取り払い、地魚に関する総合信用事業を行って参ります。昨年より取り組んでおります「地魚BANK」を展開し、飲食だけに限らない地魚サービスを創出することを生業として参ります。

もう少し具体的に言うと
「地域で100年後も喜ばれる商売」として
「旨い魚をこれからもずっと」食べられる社会の実現のため
「地魚の価値を最大化」することを目的に
「価値を伝え、共感して下さる会員≒株主から資金を集める」ための仕組みが地魚BANKであり
「集めた資金で地魚イベントの開催や加工品、空間創出、飲食コンサルティング」を行い
「ときには地魚共同事業者に出資することで推進力」となり
「会員様を絶えず喜ばしながら囲い込んで離さない」という仕事をして参ります。

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それから2年が経ち、未だ未だそのような会社とはなれておりませんが
少しづつ近づいていると思います。

そういった意味ではそもそもコロナ禍の前から準備をしていたとも言えます。

その判断が正しかったかどうかは未だ分かりません。

ただ、もしこのとき、
飲食店であることに固執して
地魚BANKに挑戦をしていなかったら
今頃弊社は潰れているか
スタッフの一部を解雇せざるを得なかった
ことは間違い無いでしょう。