まぶログ

脱サラ、移住、起業、地域活性化、まぶログのリアルな体験記

積極的に生きる

ある朝、
起きてすぐトイレに行くと
目の前が真っ暗に。

ふらつく身体を持ち直し
リビングに向かったが
どうにも心臓が苦しい。

鼓動が、早い。

実はそれまでも
脈がおかしいことはあった。

ただそれは通常「ドクドクドク・・・」が「ドックン」と
大きく溜めてからうつような感覚で、その一瞬だけ。

でもこの日は
「トゥルルルルル・・・」
といった新幹線の発車のベルのような
脈がずっと続いていた。

しばらくすれば収るだろうと思い
いつものようにお店に行くけど
どうにも収らない。

耐えかねて自宅近くの病院に行くと
「ウチではどうしようも出来ない」
と循環器を紹介される。

しかし時間は
お昼休みになろうとしていたところ。

それならまた明日にでも行きますと
仕事に戻ろうとしたところお医者さんから

「ずっと全力でダッシュしているような状態なんですよ!」

いさめられて
あれよあれよと救急へ。

自分の運転で来てはならないと。

急遽妻が仕事を切り上げてくれて
ハンドルを握ってくれたが
動揺が隠せない様子。

そのドキドキのお陰で
自分は逆に冷静になれたりするから不思議なものだ。

結局その日は「たまたま」症状が治まり帰宅。

約2週間後に自宅で再発し救急搬送。

その後検査を進める中で
命に関わる可能性がゼロじゃないと分かり
手術を決断しました。

この手術が痛いの何のって・・・

「え?全身麻酔じゃないと?」

と思われるかもしれませんが
症状を確認しながらのカテーテル手術のため
リラックス状態では勝手が悪いことから
敢えての部分麻酔とのこと。

電気で心臓を焼かれる感覚は
今まで味わった「あらゆる痛み」の中で
最上級クラス。

あと検査のときに
心臓の鼓動を一時的に弱める
(ていうかほぼ止められるられる)
のですが、これまたサイジョウキュウ。。

一瞬で全身の血の気が引いて急に寒くなり

「あぁ・・・死ぬってこういう感覚なのかなぁ」

と思いました。

心臓を止められて、焼かれて。

生きているウチに
中々経験出来ることじゃないなと思いましたが
出来ればもう経験したく無い。

結局、病気の原因は良く分からないそうなのですが
シンプルにストレスだと思う。

ちょうどその頃
スタッフが一気に3人辞めた。

自分なりに向き合ってきたつもりだったけど
響かなかったし、届かなかった。

コロナ禍の中、
全スタッフの雇用を守ろうと
必死になって働いて挑戦してきたけど
矛盾した結末に虚しさを感じた。

手術の成功確率は50%とのこと。

生きるか死ぬかではなくて
全ての原因を取り去ることが出来るか
最悪の結果を招く原因だけを取り去るか。

結果的には後者となったため
術後一年を経過しても未だ症状は残る。

もしかすると
一生付き合っていくことになるのかもしれない。

あの痛みを乗り越えた結末に
虚しさも感じるけど
あのとき病気とは言え
一瞬立ち止まることが出来て
本当に良かった。

そして変らず、積極的に生きることが出来た。

それは間違い無く
「読書のちから」
のお陰だ。

「情報断食」には

「真空状態が長く続かないように、一気に何かが抜けたら、一気に埋めようとする力が働く」

とあった。

お陰様でたくさんの心強い仲間が入ってくれた。

今度は彼らと向き合う日々が続く訳だけど
良い意味で力を抜くことも学んだ。

私自身に空いた穴に入ってきたものも興味深い。

今年も地魚漬けの毎日だろうけど、
敢えて穴も空けたいと思う。

「くらしのアナキズム」と「自然の哲学」は
これまでローカルで漠然と課題としてきたことに
大きな示唆をくれた。

やはり僕はアナーキーな生き方に憧れてて
地魚BANKはその実践の一つなのだ。

「何故地魚BANKを始めようとしたのか」

何度も取材で聞かれたが
それは中村天風氏に言わせれば
「宇宙霊の仕業」であることを
「力の結晶」は非常に科学的に教えてくれた。

ここ数年の大きな課題は
インプットとアウトプットのバランス。

もし私が出版するとしたら
こんな出版社さんにお願いしたいと
「しずけさとユーモア」
は思わせてくれた。

「本を贈る」で出版という仕事そのものを
見つめ直すことが出来たのも大きい。

「くらしのアナキズム」に戻ると
著者は奇しくも私も前職で赴任した
エチオピア北部での経験が
大きなきっかけとなっている。

何より著者の
この本をまとめた科学者としての気概に
非常に感銘を受けた。

その想い通りに
勇気を頂いた一人として感謝したい。

エチオピアから帰国する際
あのとき一緒に仕事した仲間から
貰った言葉が今になって響く。

「馬淵さんにも良い風が吹きますように」

皆様にも良い風が吹きますように。

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